Vol.004 2002.12.27ON AIR
BLUES MAN:Sonny Boy Williamson
O.A曲名:Don't Start Me To Talkin'
from CD:THE ESSENTIAL
はーい、「ムーンドッグアワー」をお聞きの皆さん、原島、小杉、元気かーい。えー、という訳で、もう、このぐらいになると、ちょっと今何時だとか、わかんなくなっちゃうけどね、みんな大丈夫〜? 3時だぞ(笑)この時間は私、仲井戸“CHABO”麗市がお送りする深夜3時ですね、夜明け前のBLUES番組、その名も、仲井戸“CHABO”麗市『THREE O'CLOCK BLUES』をお送りしています。という訳で、本当に押し詰まってきたけども、12月に入ってからこのコーナー…あ、番組やらせてもらって、早いねえ、もう4回目って訳で、今年最後だねえ。原島、小杉、どうでしたか? 今年一年。みんな、ラジオを聴いている人、どんな一年だったんだろう? だいたいまあ、俺みたいないい加減な奴でも、やっぱりなんかこう、このぐらい押し詰まってくると“今年はあんなことがあった、こんなことがあった、あんなこと言い残した”とかそんなことなんとなく思っちゃうよねえ。

俺なんか唄を書くような奴だから、自分で詞書いたり、そういう奴だから、ノートがお友達みたいな、ティーエイジャーの頃からね、だからノートに、そんなこと…日記じゃないけど、なんとなく書いたりするよねえ、あの…“夏にこんなことあった” とかさ、ま、それはみんなもそうだろうけど、個人的に、例えば“彼女にフラれてよー”みたいな奴もいるかもしれないし“彼女と出会ってよー”みたいな奴もいるかもしれないけど、そういう個人的なことと、あとやっぱり、どーう考えても今年一年振り返ると世の中とかさー、この国もそうだし世界見渡しても、本当にいろんなことが…ま、激動というかなあ、俺みたいなノンポリ…、“ノンポリ”って言葉知っている? なんていうか、無関心っていうかな、自分のことで精一杯で、彼女や自分の毎日の生活で精一杯で世の中にあんまり目を向けないられない奴のことを“ノンポリ”なんて言う言葉があったんだけど、そんな奴でもやっぱりこれだけ世の中動いていると、気になるよねえ。それは自分の暮らしにも降り掛かってることだし、まあ、そういうなんかいろんなことを、ほんと突き付けられたり思ったりする一年だったねえ、みんなはどうだったでしょう。だから、そんな時にこんな番組が始まったの、とても価値があるって自分で自画自賛してる訳ですね、BLUES!〈♪ギターを弾く〉こんな番組ないぜ、きっと日本に。ま、本当に勇気ある奴が、もしかしたら2つか3つ、どこかにあるかもしれないね、でも絶対少ない、今BLUESかける番組なんて。えー、そんな自分の希望を叶えてもらって、こういう番組やらせてもらってるんだけど、毎週一人、アーティストを絞って一曲流すっていうことで始まったこの番組なんだけど、今年最後の…今日も一人選んで来ました。先週はえーと、X'masだったね、20日にお送りして。X'mas前だったんで、有名なB.B.KINGさんのX'masのとてもムーディな曲をかけたんだけど、どうでしたか? X'mas。えー、きっとフラれた奴が多かったと思うけど。もう、決めつけてますね、私(笑)俺の番組聴いてんのは絶対フラれた奴…もっと言えばフラれた奴に聴いて欲しい!みたいな、BLUESで救ってやるぞ!みたいな。

えー、どうでしたか? 先週のB.B.KING、ロマンチックだったよね。今週は…、先々週はハウリン・ウルフっていうBLUES界にとってもなかなかマニアックなやつをディレクターの青年に「チャボさん、ハウリン・ウルフかけてくださいよ」なんて脅かされたんだけど、今週も半分脅かされて「俺〜、これぜったい今年最後、かけてください」みたいな(笑)ほとんど脅かされて、えー、そうなってますけど。ま、BLUESって言っても沢山ね、人選も迷っちゃうんだけど。逆に迷っちゃうんで俺は、ディレクターの青年に助けられましたけど。ソニー・ボーイ・ウィリアムソン。なんだか難しい名前だけど、ソニー・ボーイ・ウィリアムソン。もうちょっと正確に言うとソニー・ボーイ・ウィリアムソン二世なんです(笑)ってなんでしょう、それは。つまりね、ソニー・ボーイ・ウィリアムソンって人は2人居たんだよ。で最初の人はね、つまり一世だけど、その人のマネしたか憧れたか知らないけど、今日かけるのはね、ソニー・ボーイ・ウィリアムソン二世という人なんだね。ここにその人の写真があるんだけど、山高帽かなんか被っちゃって、たぶん身長は180ぐらいあったんじゃないかな? とても大きくて、顎ヒゲ生やして。えー、いろんな伝説…資料によると、なかなか奇妙な、奇行が多かった。BLUES MAN、そういう人、なんか多いんだけど(笑)とても変わった人だったらしいね。こう…いろんなとこに突然現われたりして、すぐ消えちゃったりとか、愛想も全然無いし、フィルムも残っているけど、とてもなんか、恐い顔をしてるんだよね、実は優しかったんだろうけども。

えー、先週…先々週か、そのハウリン・ウルフって人をかけた時に、みんなが知っているクラプトンさんとかローリング・ストーンズが、彼等が子供の頃、よく聴いたなんて話をしたけども、ま、先週のB.B.KINGさんもそうだけど、このコーナーでかけているBLUES MANみんなそうなんだけど、この人も1960年代、イギリスのそういう…クラプトンとか、そういう当時のその辺の若者たちにとても尊敬されてて、ロンドンとかに招かれたりしてね、セッションとか沢山して、その辺の音源とかも沢山残ってんだけど。そういうことでもとても有名だったんだけど、もう一つはね、俺、今日…、こんなラジオなんかやらせてもらっているけど、彼はラジオをやっていたの、実は。1930年代、40年代かな? 大昔だけど。それはアメリカのミシシッピー州のヘレナっていう小さな街、俺は93年かな?そこに…、その街を訪れたんだけど、どんな街か。一週目にかけたロバート・ジョンソンさんなんかも活動していた街なんだけど、そこで『KING BISCUIT TIME』っていうね、お昼にやって…これは夜中の番組だけど、この番組は。お昼にやってたんだって『KING BISCUIT TIME』っていうのを。だから当時、その…農園とかね綿花畑なんていう、綿花畑っていう働く場所があったじゃない、そういうとこで働いている人たちが、お昼休みに帰って…楽しみってそんなに無いから今みたいに、カラオケも無いしさ、いろんな楽しみ無いんだけどラジオってとても大事だったんだよね、きっと当時は。それで、かけるとお昼にね、この人が「KING BISCUIT TIME〜」って15分間、番組やっていたんだって。それをなんか、夢中で、いろんな人たち聴いたらしいねえ。

だから、そういうのを聴いて育ったロック・ミュージシャンとかも随分いるらしいけど、そういう…人です。だから、とてもいろんな人に影響を与えた。『KING BISCUIT TIME』っていうのは、ちなみに俺のファンクラブの会報の名前にもしています。俺の…だから、そういうところではとても憧れのおじさんでもあります。今日はそのソニー・ボーイ・ウィリアムソンさんという人を…、それでこの人、ハープです。先週のB.B.KINGはギターだったけど。ギターの人、BLUES多いけどね、ハープの人もちょっとかけたいなんて言われて、代表で持ってきました。みんなが知ってる、ザ・ハイロウズなんていう…マーシーとヒロトで有名なハイロウズなんて、あのー、ヒロト君なんかハープ大好きだけど、何かの本で「ソニー・ボーイ・ウィリアムソン大好きなんだ」って語っていたね。すごい…ヒロト、ハープうまいけど、ハイロウズファンの…ヒロトのファンは、ヒロトのハープの出所は、ハーモニカの出所はこの人だ、なんて聴くとおもしろいかも知れないね、ぜひ聴いてください。あとね、ちょっとおもしろいエピソードとしては、先々週かけたハウリン・ウルフさん、その妹とこの人は一時かな、結婚してたらしいんだよね。それでなんか、ハウリン・ウルフにだから…何になるの?それは。お兄さん? 義理の兄さんか。だからハウリンにウィリアムソンがハープを教えたらしい、そういうなんか繋がりもあって。狭いですねーBLUES界もねえー、なんか。おもしろいね、そういうのも読むとね。今、いろんなCDも沢山あるし、そういう本も沢山出ているから、みんな、この番組をきっかけにR&Rのお父さん、BLUESっていうのを沢山探してみてください。今年はそういう訳で、もう押し詰まって、もう2、3日だけど、みんな一年振り返って、嫌なことがあった人も来年、元気に過ごしてください。俺も、もう、いい歳になって、もう、ちょっと…倒れそうだけど「まだまだ、B.B.がいるぜえ〜」って「B.B.KINGいるぜ!」みたいな。来年もブッ飛んでやりますから、元気にまたこの番組で会いましょう。それから、原島、小杉、来年も元気にやろうぜー!という訳で、みんな来年、良いお年をね。じゃあ、ソニー・ボーイ・ウィリアムソンっていうおじさんのハーモニカから唄を聴いてください。みんな良いお年を。世界中、来年良いことがありますように。ソニー・ボーイ・ウィリアムソンで「Don't Start Me To Talkin'」 、じゃあね!



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