Vol.008 2003.01.24 ON AIR
BLUES MAN:Clarence "Gatemouth" Brown
O.A曲名:CHOO-CHOO-CH' BOOGIE
from CD:Just Got Lucky
はーい、「ムーンドッグアワー」を聞いてるみんな、聞いてるかあ〜、原島、小杉、元気かー。しかし一週間、早いなあー、なんかこの間「原島、小杉、元気かい」って、ついさっき声かけたような、なんか一週間、やっぱ歳のせいかなあ、早いなあー。もっと言えばなんか、まだね下手すると年が明けてない…、ま、そ〜んなこと言っててもしようがないんで、そういう気分さえするんです、まだX'masも来てねえんじゃないかっていい加減にして。自分で、もう時間との落差に…(笑)はい、この時間は、私、仲井戸“CHABO”麗市がお送りする、深夜3時のBLUESプログラム、いいですねえ〜、仲井戸“CHABO”麗市『THREE O'CLOCK BLUES』をお送りしますっていう訳で、もうこれ8回目になったんだね、すごいねえー、去年から始まってますけども。この番組は一週間に1アーティスト、そして1曲をかけるというテーマでやっているんですけど、先週はこの番組始まって以来、初めての女性アーティストをかけたね。やっぱ野郎ばっかかけても「女のBLUES MANいねえのかよ」みたいになっちゃうと…やっぱ、いるもんね何人か。ベッシー・スミスっていう、とてもディープなシンガーをかけました。

という訳で、俺も今年、そろそろどんな風に過ごそうかななんて…、えー、大体俺、スタート遅いんだけど、非常に私の事務所の社長、厳しい社長なので「CHABOさん、どうすんですか!」みたいな、もう、尻を叩きまくられていますけども(笑)そんなスタート地点に立っていますね。なるべく逃げてやろうと思っているんですけど、非常に監視の眼が厳しくてですね。みなさん、今年始まったばかりだけど、ぜひいい年にしてくださいね。という訳で、今週の人はですね、ちょっとこれは…ま、BLUES自体が、そういった訳であんまり世の中、どっちかって言うとあんまり知られてない人多いけど、これはBLUES好きな人の中でも、ちょっとまあ…、やっぱりマニアックな人じゃないと知らないかもしれないね。ただ、好きな人は相当好きでしょう、ゲイトマウス・ブラウンという、ちょっと面白い名前の人です。ゲイトマウス・ブラウン。年齢的には…、正確な生年月日ちょっとわかんないんですけど、B.B.KINGさんより…もしかしたら上かな? あるいは同じくらいですね。もう80に近いんじゃないかな、現役です。つまり、今回他にも沢山…「B.B.KING出したんなら、アルバート・キング、フレディ・キングどうしましょうか?」とか、ディレクターの松葉君とさんざん悩んでるんですけど、ちょっとここらで違う角度から俺、人選しようと思ってゲイトマウス・ブラウンという人を選んだんですけど、その一つの理由はですね、ま、現役だということが大きいんだけど、わりと亡くなった人をずっと取り上げているんで、現役でまだバリバリやっているゲイトマウスを取り上げてみたくて、取り上げました。

面白いんだ、彼の…なんか、発言とか。つまりね、彼はね「俺のことBLUES MANって呼ぶな」って言うんだよ(笑)インタビューで。これはちょっと面白い、セレクトの理由になったんだ。つまりね、俺もBLUES MUSICに出会ったのはそういう理由だったんだけど。まあ、先週もちらっとそんなこと言ったけど、俺、ティーンエイジャーの頃、真っ暗な子だったんだよね、なんか。家にこもっちゃうような、学校やなんかも半分行かないような、で、新宿の街をうろついちゃうような。そういう子だったから、きっとBLUESみたいなね、なんて言うのかな…ま、簡単に括っちゃてるけど、(♪ギターを弾く)「♪見捨てられたぜ〜」とかさ「♪家を飛び出たぜ〜」とか、そういうなんか発想なんだよね。つまりわりとヘビィなフィーリング、ま、どっちかって言うと“哀しい”とか、そういうことでBLUESと出会ったんだけど、このゲイトマウスっていう人は「俺のBLUESはそんなネチネチしてねえんだ」って言うんだよね(笑)「BLUESはそうじゃなくて、もっとポジティブで、突き進んで、ぶっ飛んでんだ」みたな、簡単に言うと。そういう発想で、すごくジャンプする「元気に行こうぜ!」みたいな、そういう発想でBLUESをやっている人なんだよね。BLUES MUSICをもちろん演奏するんだけど「俺のはあんなネチネチしてねえんだ」みたいな。そういうことを、とても面白い解釈でBLUESを表現している人みたいなんですよね。だからちょっと面白くて選んだんだけど。

つまり、今“ジャンプ”っていう言葉が出たけど、JUMP BLUESなんていう、CD屋さん行くとコーナーがあると思うけど、BLUESのね。あの、JUMP BLUESみたいなのあってさ、ルイ・ジョーダンなんて人が、その親玉なんだけど。そのゲイトマウスって人はルイ・ジョーダンって人を結構沢山カヴァーしてたりとか。とにかくなんかね、今までかかった…先週のベッシー・スミスとか、今年始めのマディ・ウォーターズとかジョン・リーとかそういう…、もっと言えばB.B.KINGとかも、またちょっと違うタッチなの。聴いてもらえばわかるけどね、とってもなんかね、弾んでるよね。ある意味、ウキウキしてくるような、そんな元気が出るBLUESです。それで、この現役のBLUES MAN、ゲイトマウスを俺は、先週も話したけど、アメリカを旅した時、シガゴのバディ・ガイって人いるよね、バディ・ガイの経営しているお店で幸運に見れました。目の前で。ブッ飛びました。あまりの…、なんて言うの、もう…テクニックも凄い、しかも去年よりもうまくなってる、今年の方が。そういうなんか…なんていうの、進歩してるっていう。現役の、70いくつだぜ、俺が観た時。

しかも、彼が、その時の演奏もさることながら、終わったらね、彼は汗もろくに拭かずにバディ・ガイのお店の入り口に、椅子に座って、自分の…キャラクター商品っていうの、自分のアルバムとかバッチとか、そういうの売ってんだよ。つまりそれで生活してんの、彼は。大きなバスが外に停まってて、アメリカじゅうを今だに旅してる…、その姿にね、俺はなんかね、ある種、頭をバカーンと叩かれたようなね…、なんか俺も50いくつだけど、「もうこんな歳になってよお、なんかもうギターを弾くのもツライぜ、も〜旅もツライ」なんて普段、泣き言ばかり言ってたから、「なあ〜に小僧、鼻ったれが言ってるんだ」みたいなことをね、突き付けられたような衝撃があったんだよね。まだ俺は自分のLIVEの後に、そのまま楽屋戻んないで、客席の方に降りて入り口で自分のキャラクター商品を売るとこまでいけません。やっぱり楽屋入って汗流したいって思っちゃうんだよね。そんなことの衝撃もありました。現役の…「BLUES MANって呼ぶな」って言ってるけど、まあ、偉大なBLUES MANです。彼はバイオリンとかも弾いちゃうんだよね。お父さんがすごく…、“フィドル”って呼ぶんだけど、カントリーとかBLUESでは。お父さんがそういう人だったみたい。で、彼はとても厳しくて、自分のBANDの奴には「アルコール絶対飲むな」って、ステージ前だけどね。そういうBAND MANとしても 厳しさみたいなのも若者に叩き付ける。で、面白いんだけど「マリファナはいいんだ」って言ってんだよね。それはよくわかんないんだけど(笑)「ま、アレはいいんじゃん」みたいな、「アルコールは毒じゃん」みたいな(笑)勝手なこと言うな!みたいな。つまり、面白い人です。ゲイトマウスのギター、ピックじゃなくて全部の指を使って弾きます。すっごい人です。ちょっと楽しい曲、聴いてください。これね、細野晴臣さんがある時、カヴァーして日本語でやってた。それはとても面白い曲だった、電車に乗っているような唄なの、「CHOO-CHOO-CH BOOGIE」って言うね、ジャンプするBLUESを今週聴いてください。ゲイトマウス・ブラウン、ファンキーナなジジイ、聴いて!



Back to [ "THREE O'CLOCK BLUES"INDEX ] [ "BLUES ETC." INDEX ]