ライナーノーツより

さて僕は今一人海沿いをひた走る列車に乗って、我が家へ帰るとこだ。
風と光にめぐまれて、君も、今頃やさしい木の幹を枕にひと休みってとこかな?
雨になった窓。雨粒がぶつかる窓。その向こうの海と原野を切り開いて、僕は家に帰るとこだよ。

思えば僕達は、いくつもの夜をクッキーと紅茶で、くつろいで笑ったし、
七色のギターで、イタリアから新宿、どこかの南の島、北鎌倉、ミシシッピー、スペインあたりまでも
一度に旅をした気がするな。

そうだ、思えば、古いあの都の街じゃ、僕達は柔らかな陽射しをいっぱいあびて、
まるで子供の日々を散歩しているみたいだったね。
ハウリン・ウルフの運転する車に乗って、永遠のレンズに収まったんだ。
あの夜僕はちょっとお酔いになって大人みたいな気分だったけな。

そうだ、思えば南の地、あの山の裾野のホテルじゃ君は夜空のプールへダイビングしたっけね。
そして黄色の満月をプールサイドに置いて“消さないで! 月を消さないで!”って叫んだっけね。

そーなんだ、思えば、どこかまるでほとんど永住のよーに長く滞在した街。
僕はあの夜自宅に電話して昔、日本橋でみつけた、あのかわいい人形がこわれてしまったというのを聞いたんだ。
次の日のステージで、僕はみんなに気づかれないようにある曲の中で、ちょっと泣いたんだ。
でもその時も七色のギターが僕を助けてくれた気がするな。

そーだな思えば、たくさんの顔を思い出せるよ。
僕もやっと自分の顔をみつけて、よく晴れた日、外に飛び出してみたんだ。
たくさんの笑顔をノートに書きとめたよ。もう僕の背中ごしの意地の悪い顔も、気にならなくなった。
そんなの1/100程度のものだってわかったからな。

ああ なんて 夏はいいんだろう 夏はいいな、冷たいビールと海、太陽。
ああ 冬はいいな、暖かいお茶とBed、ネコ。
こんなにもややこしい世の中だから、君の笑顔はとてもいいな.....。

僕のちっぽけな言葉の破片<かけら>は、七色のギターに乗って、
いったいどのへんまで飛んで行けたかな?

今僕はみんなとちょっと別れて、海沿いをひた走る列車に乗って我が家へ帰るところだ。
雨がいつの間にか止んで、はるか沖合にミステリアスなあの夏の調べが流れてるみたいだよ。


風と光にめぐまれて、君も今頃やさしい木の幹を枕に、ひと休みってとこかな?

P.S
なあ 鈴木よ! 人ってやつはよ〜........。
なあ 早川岳晴よ! 人生ってやつはよ〜........。
なーんちゃってな.........。又な.........。
Thank you 麗蘭の偉大なスタッフ達!!
そして聞きに来てくれた、たくさんの人達!!

   91.6. THE 麗蘭  仲井戸“CHABO”麗市

思いっきり泳いだ、そんな感じです。
チャボ そして集まってくれたたくさんの人達に
心から 感謝しています。本当に、よかった。
ありがとう。

   京都にて  土屋“Guitar”公平



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